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転移と再発

がんの転移

がん細胞には「無限増殖」と「不死」の他にも厄介な特徴があります。浸潤、転移、血管新生です。正常な細胞は決まった組織にしか存在できません。しかし、がん細胞は増殖を繰り返しながら周囲に浸潤し、多くの栄養が必要なために血管を作り出し、やがて血管やリンパ管に入り込んで全身の組織に転移し増殖してしまうのです。

がん細胞は大量のタンパクを作り激しく分裂するため、たくさんの栄養(とくに糖)を必要とします。一カ所に留まっていたら効率的な栄養補給ができないので、他の組織への移動をもくろみ栄養を求めて移動するのです。そういうがん細胞の活動が「浸潤」や「転移」を引き起こします。正常な細胞は決められた役割を守るため、他の臓器や組織で生存・増殖することはありません。
しかしがん細胞は、発生した部位にかかわらず他の臓器などに移動し生存・増殖してしまうのです。

5 転移の仕組み

浸潤

浸潤とは、がん細胞が広がるために周囲の臓器に浸み込み広がった状態を指します。正常な細胞は、他の組織の細胞とぶつかると、そこで増殖をストップさせます。一方、がん細胞は、無遠慮に他の組織に浸み込んでいきます。がん細胞には「境界」という遠慮がないのです。

転移

やがてがんが進行して血管やリンパ管にまで浸潤が進むと、がん細胞が血流やリンパ流を利用して全身に広がっていきます。こうして新たな臓器や組織に辿り着いたがん細胞はそこでも増殖を繰り返します。これを転移といいます。リンパの流れが集まるリンパ節や、肺や脳、肝臓、骨など血液の流れが豊富な場所は特に転移しやすくなります。

がんが転移するには、様々な段階を経て転移が完成します。この段階はかなり複雑に遺伝子が関与していますが、徐々にその分子機構が解明されています。がんは、原発巣から離脱した細胞が近くの組織を浸潤し、血管やリンパ菅に侵入して、遠隔部位に新たな”巣”を作っていくのです。
転移の大まかな流れを見ていきましょう。

① 原発巣からの離脱と浸潤

② 毛細血管、リンパ管に侵入し、流れに乗って移動

③ 多臓器の血管壁、リンパ節に付着し、血管外への脱出

④ 転移臓器への生着し、転移が完成

① 原発巣からの離脱と浸潤
がんが転移するにはまず、元の腫瘍から脱出する必要があります。この脱出の鍵となるのは、隣の組織に侵入する能力、つまり浸潤です。浸潤はがん特有の性質で、無秩序な増殖をして、周囲の組織に広がっていきます。ではどのように浸潤していくのでしょうか?
細胞を隣の細胞に繋いでいる接着機構を破壊していくことで浸潤すると考えられています。細胞と細胞の間には細胞外マトリックスという成分があり、接着剤の役割をしています。代表的なものがコラーゲンです。がんはこの接着剤を分解する酵素を発現しているため、「他の組織との境界」を分解し、溶かしてしまうことで周囲の組織に浸潤していくのです。

② 血管への侵入、移動
人間の体の中には血管やリンパ管などの管が、全身に張り巡らされています。
①の浸潤を経てがんが進行するとがん細胞は、この血管やリンパ管へ侵入していきます。ここまで進行すると、がん細胞が血流やリンパの流れを利用して全身に広がっていきます。
血管内の環境は、がん細胞にとっては、免疫細胞による攻撃を受けるため、過酷な環境です。私たちの体も免疫でがん細胞を排除し、転移させまいと徹底的に体を守るわけですね。しかし、がん細胞1000個のうち1個程度は、どうしても防ぎきれず、がん細胞が遠隔まで生きて到着してしまいます。がん細胞も、一個ではすぐに攻撃されてしまうので、がん細胞どうしの接着により塊を形成して、なんとか遠隔臓器にたどり着こうと免疫に抵抗するわけです。原発巣からは次々に新たながん細胞が血管内に送り込まれてくるので、次第に免疫では防ぎきれないほどのがん細胞が血管内にばら撒かれていきます。その結果、致命的なものになっていくのです。このようにがん細胞は管を流れて移動するので、リンパの流れが集まるリンパ節や、血液の流れが豊富な場所(肺、脳、肝臓、骨など)は特に転移しやすいのです。
また上述の事に加えて、がんは転移しやすい環境を自ら作るために、なんと周囲に新しい血管を増やしています(血管新生)。この新しい血管は、がんに栄養や酸素を供給するだけではなく、がん細胞が転移臓器へ脱出する経路を増やして、転移しやすい状態にしているのです。

③ 血管外への脱出 ~ ④ 転移臓器への生着と増植
血管の内部の壁のことを、血管内皮細胞と呼びます。免疫からの攻撃をまぬがれた、がん細胞は血管内皮細胞に生着します。生着した次のステップでは、①の原発巣における浸潤とは逆方向に、今度は血管内皮から臓器へ侵入していきます。血管内皮から、まず酵素により血管の壁を分解し、転移臓器へ浸潤していくのです。つまり、血管から脱出して、転移臓器へ移住するわけです。新たな臓器や組織に辿り着いたがん細胞は、移住先でも増殖を繰り返し、転移が完成します。
正常の細胞は、元々いた場所にしか生存できないようなシステムがあり、他の場所に行くと細胞死(アポトーシス)が起こりますが、がん細胞にはそのシステムが働きません。元々いた場所から出て、移動先の場所でもがん細胞が生存し増植することができるため、やがて転移が形成されます。

播種

胃や大腸、子宮、卵巣などでがんの浸潤が進み外膜を超えると、がん細胞が腹膜にまで広がってしまうケースもあります。これを腹膜播種といい、また播種性転移と呼ぶこともあります。これはやがてがん性腹膜炎となりがん性腹水などが貯留します。一方、肺がんでがん細胞が胸腔内に広がることもあります。どちらもがん細胞が腹腔や胸腔にばらまかれた状況で、治療はより困難になりほとんどの例で根治できません。

転移には血行転移、リンパ節転移、播種性転移がありますが、いずれの場合でも手術による治療の可能性はほとんどありません。主に抗がん剤や放射線治療による治療となりますが、その効果なく進行を食い止められなければやがては治療を諦め、緩和ケアに移るしかありません。

このような浸潤・転移・播種などに対し標準治療だけではなかなか抑え込めません。遺伝子治療は標準治療との併用で、標準治療により強い相乗効果を示します。なかなか治療が難しい転移に対しての遺伝子治療の追加併用はより治療効果を上げることができます。

がんの再発

「再発」とは、手術が成功したとしても小さな転移の残存で、抗がん剤なども使ったが残存したがん細胞が再び増殖して発症することをいいます。
「再燃」とは、手術は行えないが、抗がん剤や放射線治療でいったん縮小し寛解したと判断された後に再び大きくなってしまうことをいいます。

再発には様々な原因があり、初期のがんを手術で摘出したとしても絶対に安心とは言えません。安心できない要因の一つとして、初期のがんでも転移を起こすことがあるからです。

また手術をして術後抗がん剤や放射線治療をおこなったにもかかわらず、再発してしまう原因としては同じがんの中にも様々な特徴を持つがん細胞が混在している点が挙げられます。がん細胞の中にはがん幹細胞やストレスに強いがん細胞、転移しやすいがん細胞や浸潤しやすいがん細胞などが存在し、これらの存在が再発する原因の一つとなっています。

6 がんの再発

例えば、がんを手術で摘出したとしても、すでにマイクロ(微小)転移している可能性は否定できません。
細胞レベルのマイクロ転移を発見する手段はないので医師は治療を終了し、そのまま何もしなければ再発する可能性は非常に高くなります。また転移を疑い手術後に抗がん剤や放射線治療を施行して見えない敵から、寛解したと判断された場合にも抗がん剤が効き難いがん幹細胞やストレスに強いがん細胞がわずかに残存し増殖してやがて再発してしまう。
手術をして抗がん剤を使っても多くの患者さまが再発してしまう理由はこのことからも分かります。

がんが再発した場合には、再度手術で取り除くこともたまにありますが、ほとんどの場合は再手術ができないことが多く主には抗がん剤や放射線治療による治療となります。また多発転移や播種転移の場合、根治が望めないケースも多くなってしまいます。
このような状態にならないようにするために、がんは転移、再発するものだと意識して、これらを防ぐための追加有効治療を受けることが非常に重要となります。

標準治療でも、転移、再発を考慮した治療は行われていますが十分とは言えません。標準治療に加えてがん先端治療を受けることで、再発予防に高い効果が期待できます。また、遠隔転移してしまい標準治療だけでは治療が困難になってしまった患者さまも、がん先端治療を併用することで、予後やQOL(生活の質)の向上に高い効果が期待できます。

がん再発の危険性

がんは手術しても再発することが多々あります。初期のがんの手術後にも再発はあります。取りきったと思ってもまた顔を出すのががんなのです。
多くの患者さまは、がんの手術を受けた後に再発予防として抗がん剤を使用します。それでも多くの患者さまが再発してしまうのが現実です。抗がん剤には「副作用」があるので予防目的での使用には限りがあります。さらに抗がん剤には「薬剤耐性」という「副作用」に続く問題があります。
したがって、抗がん剤で全てのがん細胞を消滅させることは難しく、再発を免れる可能性は高くありません。

抗がん剤治療を耐え抜いたがん細胞の増殖は、より難治性で凶悪な集団となり再発してしまいます。再発がんは、抗がん剤治療にも負けないがん幹細胞や、ストレスに強いがん細胞などの難治性を示すがん細胞が増殖していることにより、治療はより困難を極めることになります。

放射線治療の場合も同様に再発の危険はあります。照射範囲外の再発はがん細胞が照射されていないので当然の再発です。一方殺傷能力が強い放射線照射ですが照射範囲内に再発することもあります。放射線治療に負けない、強い難治性を示すがん細胞が増殖して再発してしまうことがあるからです。

7 再発の危険性

がんが遠隔転移した場合ほとんど根治が見込めなくなってしまいます。遠隔転移が再発した場合三大標準治療では手術や放射線が適応になることは少なく、抗がん剤による治療が中心となりますが、がんの進行を止めるのは非常に難しいのが現実です。
がんは非常に再発しやすい性質を持っており、再発は患者さまの予後やQOLに非常に大きな影響を与えます。したがって、がん治療における再発予防の重要性は計り知れません。
標準治療に遺伝子治療などを併用して相乗効果で再発予防や再発がんと闘う
ことをお勧めします。

再発のメカニズム

手術ですべてのがん細胞を取りきることができれば根治となりますが、がん細胞が体内に残っていた場合、そのがん細胞は成長して「再発」します。手術でがんを切除したにもかかわらず、がん細胞が体内に残ってしまう原因は大きく分けて5つのケースが考えられます。

  1. 手術時はわからなかったが想定以上に周囲への浸潤があって残存した
  2. 手術時すでに検査では発見できない小さなマイクロ転移があり残存した
  3. 広範囲のリンパ節転移があり、手術で取った領域を超えて転移していて残存した
  4. がんが大きく取りきれないのは承知で、取れる範囲だけを切除したので承知の上の残存
  5. 手術中に誤ってがん細胞を散布してしまい処置したが残存した

手術はがん細胞を完全に取りきれるか否かが大きなポイントです。しかし術後にがん細胞をすべて切除できたかどうかは確認できないため、残っているだろうがん細胞に対して抗がん剤や放射線治療を行います。残存しているがん細胞が少なければ少ないほど、叩きやすく根治の可能性があるからです。
しかし、ここまでしてもまだまだ再発は多くみられます。せっかく手術でがん細胞をほとんど取り除き、その後苦しい抗がん剤をしてさらに残存がん細胞を減少させた。ここまでしても抗がん剤に打ち勝った少量の難治性がん細胞で再発してしまうという、大変もったいない現実が起こっているのが現状です。

放射線治療によって寛解したとしても再発する可能性は十分にあります。再発の原因は手術の場合とほとんど同じです。放射線治療も手術と同じ局所治療ですので、治療時すでにマイクロ転移があった場合や、放射線を照射した範囲を超えてがんが存在していた場合などは、ほぼ再発してしまいます。放射線を照射した範囲にしか、がんが存在しなかったとしても、ストレスに強いがん細胞やがん幹細胞がわずかでも生き残ってしまえば再発の要因となります。

抗がん剤は全身で効果を発揮するため、マイクロ転移や僅かながんの取り残しに対し、一定の効果が現れる可能性もあります。しかし副作用や薬剤耐性という問題もあるため、抗がん剤の効果で寛解したとしても、すべてのがん細胞が消失している可能性は決して高くはありません。そして抗がん剤にも耐えぬいて再発したがんは、強い難治性を示します。

再発のメカニズム

再発を防ぐために

三大標準治療だけでがんの再発を防げる可能性は決して高くありません。
しかし標準治療に、遺伝子治療や有効な免疫療法を加えることにより再発を防ぐ確率が向上します。

再発を防ぐために

がんは、一定の治療を終えたとしても細胞レベルで存在しているケースが多くあります。それは原発がんの付近かもしれませんし、全く別のどこかかもしれません。そのまま何もしなければ再発の可能性は非常に高くなります。
標準治療では再発予防として抗がん剤を使用することも多いですが、十分な再発予防になるとは言えません。なぜなら抗がん剤には薬剤耐性という問題があるため、全身のがん細胞を確実に消滅させる可能性が高いとは言えないからです。しかし標準治療はここで治療を終えるしかありません。結果的にほとんどの患者さまは、「再発するかもしれない」状態で治療を終えてしまいます。
この「再発するかもしれない」状態は、実は再発を防ぐために最も大切な時期なのです。がん細胞が体内に残っていたとしても、その数と勢いが最も弱まっているこのタイミングこそが、再発予防にとって最大のチャンスです。

がん再発を防ぐために最も効果的なのは「複合治療」です。例えば手術が適応になる患者さまであれば、手術後に抗がん剤を投与して、必要ならそれに放射線を追加照射、そして遺伝子治療や有効な免疫療法を加える。
これががん治療にとって最高に効果ある、もっとも再発率を下げる「複合治療」だと言えます。

遺伝子治療は三大標準治療のそれぞれの効果をより高めるばかりでなく、正常細胞に存在しているものを投与するので影響が少なく、副作用がほとんどありません。また遺伝子異常を持つがん細胞でとくに効果を表すため治療効果を増すことができます。
どこに存在するかわからない全身のがん細胞にも遺伝子レベルで作用して、抗がん剤が効き難いんがん幹細胞などにも耐性なく、同様に作用するため再発予防としては最適と言えます。
遺伝子治療は免疫療法と組み合わせることにより、免疫のがん細胞に対する感作力が高まるため、より強力に再発を防ぐことが可能です。

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